現物取引をPCでシミュレーション!初心者におすすめの練習方法とメリット

初心者はまず現物取引の練習から始めよう

株式トレードをこれから始める20〜30代の副業初心者の方は、まずは現物取引の練習から始めるのがおすすめです。いきなりレバレッジを利かせた信用取引に手を出すよりも、実際に資産を購入して保有する現物取引で基礎的なトレード技術を身につける方が安全です。現物取引であれば、自分の投入した資金以上の損失が出ることはなく、相場急変時にも借金を背負う心配がありません。「株式トレード初心者はまず現物トレード練習で確実にトレード技術を身につけるのが良い」と言われるように、まずは少額でも現物取引の練習を重ね、値動きへの慣れや売買の基本を着実に身につけていきましょう。

もちろん、最初から実際のお金を使うのが不安な場合は、後ほど紹介するシミュレーション(デモトレード)を活用する方法もあります。無理のない範囲で経験を積み重ねることが大切です。それでは、現物取引とは具体的にどのようなものなのか、そして現物取引ならではのメリットについて詳しく見ていきましょう。

現物取引とは?その意味と特徴を解説

現物取引(げんぶつとりひき)とは、株式や暗号資産(仮想通貨)などの資産を実際に購入・保有する取引方法のことです。売買が成立すると、その資産が自分のものとして手元(証券口座やウォレット)に保有される点が特徴で、購入代金として支払った現金と資産の受け渡しが行われます。たとえば株式の現物取引では、自分の資金だけで株を買い、その買った株を実際に所有して売却できます。暗号資産(仮想通貨)の場合も、最初にコインを購入することから取引が始まり、購入したコインは自分のウォレットに記録されます。

一方、信用取引や先物取引では証券会社に一定の担保(金銭や株式)を預けて、証券会社からお金や株式を借りて売買を行うため、手持ち資金以上の金額で取引することも可能です。その代わり、元手を超える損失が出るリスクや、決められた期限までに返済(決済)しなければならない制約があります。現物取引は基本的に「買い→保有→売り」というシンプルな流れで完結し、信用取引のように空売り(持っていない株を売る)から取引を始めることはできません。そのため初心者でも仕組みを理解しやすく、リスク管理もしやすい取引方法と言えます。

現物取引のメリット① 追証など追加損失リスクがない

現物取引最大のメリットの一つは、口座残高以上の損失が発生しないという点です。信用取引では、レバレッジをかけて取引できる反面、相場急落時には元手以上の損失が出る可能性があります。評価損の拡大により担保維持率が下がると追証(追加保証金)といって追加の証拠金を差し入れる必要が生じ、最悪の場合は借金を負ってしまうリスクすらあります。

一方で現物取引には、この追証(おいしょう)制度自体が存在しません。現物取引では手持ち資金の範囲内でしか取引できず、保有していない株式を売ることもできないため、投資した金額以上の損失は発生しない仕組みです。たとえ相場が急落して購入した銘柄が値下がりしてしまったとしても、口座残高を超える損失を負うことはなく、証券会社から追加の入金を求められることも基本的にありません。このように、現物取引には「借金を背負うリスクがない」という大きな安心感があります。

ただし、元手以上の損失こそ出ないものの、現物取引では元手以上の大きな利益を狙うことも難しくなります。レバレッジ取引のように少額で大きなリターンを得ることはできないため、コツコツと着実に資金を増やすスタイルに向いていると言えるでしょう。初心者のうちは無理に大きな利益を求めるより、まずは「負けにくいこと」を重視して、安全に経験を積む方が結果的に成功につながりやすいです。

現物取引のメリット② 保有期限を気にせず長期投資できる

現物取引にはポジションの保有期限がありません。自分の判断で好きなだけ長期保有を続けられるのは大きな利点です。信用取引には原則として決められた返済期限(信用期日)があり、制度信用取引では最大6ヶ月までに決済が必要といったルールがあります。信用取引で期限までに決済しないと、証券会社によって強制的に決済されてしまうため、想定通りに利益が出せなくても期日が来れば手仕舞いしなければなりません。

しかし現物取引であれば、購入した資産をずっと持ち続けることが可能です。仮に買った直後に価格が下落してしまっても、含み損(評価損)を抱えたまま相場の回復を待つという選択肢が取れるのは強みです。市場が再び上昇基調に転じてくれば利益を得られる可能性があるため、焦って損切りする必要がない点は精神的にも余裕を持てます。

もちろん、無期限に持てるからといって闇雲に含み損を放置するのが良いわけではありません。業績悪化などで長期的に見ても回復が見込めない場合は適切に損切りする決断も重要です。しかしながら、少なくとも現物取引では時間的な制約に追われず、自分のペースで売買判断ができる点は初心者にとって安心材料となるでしょう。

現物取引のメリット③ 配当金・優待・分岐などの権利を得られる

現物取引で資産を保有すると、その資産ならではの権利や特典を享受できる点も見逃せません。代表的なのは株式投資における配当金株主優待です。企業が利益の一部を株主に還元する配当金は、現物株を持っていることで受け取る権利が発生します。また、自社商品や割引券などがもらえる株主優待も、現物株を保有している人だけが得られる魅力的な特典です。信用取引で株を買っているだけでは名義上の株主にはなっていないため、配当金や優待の恩恵は受けられません。

さらに、暗号資産(仮想通貨)を現物で保有している場合、ブロックチェーンのハードフォークによって新しいコインが生まれた際に、その新通貨を受け取れるケースがあります。例えば、2016年にイーサリアムが分岐してイーサリアムクラシックという新たな通貨が誕生した際、現物のイーサリアム保有者には等価の新通貨が付与されました。このように、現物取引ならではの「持っているだけでもらえる利益」が存在するのも魅力です。

現物取引のメリット④ シンプルな買い取引で初心者にも分かりやすい

現物取引は基本的に買いから入る取引だけなので、仕組みがシンプルで初心者にも理解しやすいです。信用取引の場合は、将来値下がりしそうな銘柄を先に空売りして後から買い戻すという方法も可能ですが、これは相場が下落する方向に賭ける上級者向けの手法になります。同じ銘柄で信用買いと信用売りを同時に行う両建てという戦略もありますが、専門家によれば「両建ては簡単にリスクを回避できる一方で、手仕舞い(決済)が意外と難しい」とされています。実際に「両建ての両損」という相場格言があるほどで、安易な両建ては結局どちらでも損失を出してしまうケースも多いようですt。このような高度な戦略は経験者向けであり、初心者がいきなり真似するのは避けた方が無難でしょう。

その点、現物取引であれば基本は「安く買って高く売る」というシンプルな発想に集中できます。上昇トレンドに乗って利益を出すことだけを考えれば良く、信用取引のように下落局面での戦略まで考慮する必要はありません。売りから入る場合と買いから入る場合で相場観を切り替える必要もないため、初心者でも混乱しにくいです。特に副業で時間が限られる方は、現物取引のほうがシンプルで管理しやすいでしょう。まずは買い中心の現物トレードで相場感を養い、自信がついてから必要に応じて信用取引にも挑戦するくらいのスタンスが安心です。

PCシミュレーションで現物取引の練習をしよう

ここまで現物取引の魅力を見てきましたが、「とはいえ本番でいきなりお金を投じるのは不安…」という方もいるでしょう。そんな初心者の強い味方になるのが、株式トレードのシミュレーション(デモトレード)です。最近では、過去の実際の相場データを使って売買を疑似体験できる練習用アプリ・ツールが充実しており、パソコンやスマホで気軽に現物取引のシミュレーションができます。シミュレーションならリアルマネーは一切かからないので、失敗を恐れず試せるのも魅力です。